何かを本格的に学びたいとき、「まずは専門書を読んで知識をつける」というのが一般的ではないでしょうか。
資産運用においても例外ではなく、投資やお金の専門書を読めばある程度の知識が得られます。
しかし、世の中にはたくさんお金の本が出版されているため「何を読んだらいいか分からない」という方も多いはず。
そこで今回は、お金の知識がゼロでも分かりやすい資産運用の本を11冊ご紹介します。
これから資産運用を始める方は、本を選ぶときの参考にしてみてくださいね。(2021年2月 編集部調べ)
- 資産運用の本を選ぶ方法
- 【入門編】資産運用とお金の仕組みを学ぶ本3選
- 【専門編】投資の種類別に学ぶ資産運用の本5選
- 一度は読みたい!資産運用のベストセラー3選
- 本を読むだけではダメ!資産運用実践に向けてすること
- 本を読んで資産運用の知識をつけよう
資産運用の本を選ぶ方法
本を読んで効率的に勉強するには、自分に合った本を選ぶことが大切。
そのためには、次の5つを意識して本を選ぶといいでしょう。
- 理解度で選ぶ
- 投資の種類から選ぶ
- ベストセラーから選ぶ
- 自分の生活環境に近い題材から選ぶ
- 発行日が新しい本を選ぶ
これら5つのポイントを意識すれば、本選びに失敗しないはず。
資産運用の本の選び方のポイントを、それぞれ具体的に説明します。
理解度で選ぶ
資産運用の本には、入門編から上級編までさまざまなレベルがあります。
もし資産運用をこれから始める初心者が、上級者レベルの本を読むとどうなるでしょうか。
内容が難しくて、半分以上理解できない可能性があります。
内容が理解できないと「つまらない」「自分には向いていない」と感じてしまい、投資を断念する原因になりかねません。
そのため自分のレベルに合った本を選ぶことが大切。
目次で本の内容を確かめたり、本の口コミを見たりして判断するといいでしょう。
投資の種類から選ぶ
資産運用と一口にいっても、投資と保険では特徴が大きく異なります。
さらに、投資の中でも投資信託・株式投資・FXなど、商品によって学ぶべき内容は違うもの。
まずは自分がやりたい資産運用の種類を決めておくと、読むべき本がおのずと絞れてくるでしょう。
運用方法が決まっていない場合は、資産運用商品全般を解説している本から読んでみてください。
ベストセラーから選ぶ
一般的に数千部売れればヒット本と呼ばれるなか、ベストセラーは10万部以上を売り上げている名著です。
ベストセラーはそれほど多くの人たちに読まれているため、内容が誰にでも分かりやすく面白い本であるといえます。
また、ベストセラーには時代に流されないお金の鉄則が書かれていることが多く、読んで損することはないでしょう。
自分の生活環境に近い題材から選ぶ
「サラリーマン向け投資」や「30代から始める資産運用」など、自分の環境に当てはまる題材の本は、参考になる内容が多くておすすめ。
なぜなら生活環境や立場によって、投資手法や投資目的は変わるからです。
自分とまったく違う立場で書かれた本だと、参考にならない可能性が考えられます。
本のタイトルや著者の経歴を見て、共感できる題材の本を選びましょう。
発行日が新しい本を選ぶ
お金を増やす方法は昔から変わらない鉄則がある一方、法律や生活様式の変化により進化している部分もあります。
本の発行日が古いと情報が遅れていることがあるため、最新版や改訂版などできるだけ新しい発行日の本を選ぶのがおすすめ。
情報が新しければ、時世を反映した運用方法やトレンドの投資商品などを学べるでしょう。
▼最新の投資情報について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【入門編】資産運用とお金の仕組みを学ぶ本3選
まずは、資産運用の入門書を3冊ご紹介します。
お金全般の基礎知識を学びたい人や、資産運用の方法をまだ決めていない人はここから読み始めるのがおすすめ。
入門書を読んでみて気になった投資商品があれば、次に読む本も選びやすくなりますよ。
それではさっそく見ていきましょう。
①難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』は、資産運用や経済分析のプロとして知られる山崎元氏の著書。
お金の知識がまったくない素人が、山崎氏にお金の増やし方について事細かに質問する内容です。
会話形式で話が進むため、気軽に読むことができるでしょう。
また、文章では伝わりにくい証券口座の開設方法や投資信託の買い方なども、図解付きで分かりやすく解説しています。
学べること | ・初心者におすすめの投資方法 ・NISAやつみたてNISAの仕組み ・保険やローンなど日常のお金の話 |
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おすすめポイント | お金の知識がほとんどない人や、難しいことはいいからお金の増やし方を知りたい人などに向けて書かれているため、非常に分かりやすい本。 イラストや会話内容が面白いため楽しみながら読めます。 |
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価格 | 単行本 1518円 |
②いちばんカンタン!資産運用の超入門書
『いちばんカンタン!資産運用の超入門書』は、資産運用の基礎知識をまんべんなく解説している本。
初心者向けの投資信託や株式投資だけでなく、FXや先物取引などについても知ることができます。
また、投資だけでなくクレジットカードのお得な使い方も載っており、日常的なお金の知識が増やせます。
カラーやイラストが豊富な点も、読みやすさが工夫されていておすすめ。
学べること | ・運用資金の作り方 ・キャッシュレス決済を活用してお金をためる方法 ・各投資商品の特徴や難易度 |
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おすすめポイント | 資産運用を始めるための第一歩となる本。 この本を読めば何から手を付けるべきかはっきりするはずです。 |
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価格 | 単行本 1430円 |
③池上彰のお金の学校
『池上彰のお金の学校』の著者は、NHK記者出身であり経済やお金のプロとして有名な池上彰氏。
テレビ番組でもおなじみの分かりやすい解説により、生活に役立つお金の知識を身につけることができます。
「給料はどのように決まるのか」「税金はなぜ払うのか」など、知っているようで知らなかった情報も多いはずですよ。
学べること | ・投資商品や保険商品の基礎知識 ・税金や金利の仕組み ・キャッシュレス決済や給料など身近なお金について |
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おすすめポイント | 30万部を超える大ベストセラー。 お金の歴史や流れについても学べるため、時代が変わっても通用する知識となるはずです。 解説が分かりやすいため、大人から子どもまで家族で読める本として役立つでしょう。 |
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価格 | 単行本 979円 |
【専門編】投資の種類別に学ぶ資産運用の本5選
続いてご紹介するのは、具体的な投資手法や専門知識が学べる5冊の本です。
ここでは、資産運用の方法として人気の高い、株式投資と投資信託の本に絞ってお伝えします。
株式投資と投資信託では仕組みや運用方法など異なりますので、興味のある投資方法の本を読んでみてください。
①株式投資:めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門
『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門』は、マネー雑誌として知られるダイヤモンドZAi(ザイ)が発行した、株式投資の専門書です。
銘柄の選び方や買い方などを含め、株式投資入門者に必要な知識を一通り学べます。
全編オールカラーで、図解やイラストが豊富に差し込まれている点も読み進めやすくおすすめ。
学べること | ・株とは何かの基本説明 ・ネット証券での株式投資のやり方 ・専門用語の解説 |
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おすすめポイント | 株式投資に関する知識を網羅的に学ぶことができます。 株式投資未経験の人でも取引を始められるまでになるでしょう。 株式投資に慣れてきたら、姉妹本の上級編を読むのもおすすめ。 |
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価格 | 単行本 1760円 |
②株式投資:株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版
『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版』なら、株式投資に欠かせない企業や株価の分析方法を勉強可能。
分析方法には「ファンダメンタル(財務分析、決算分析)」と「テクニカル(チャート分析)」があります。
ファンダメンタル投資におすすめの本書は、実際の事例をもとに、企業の成長性を予測する方法が学べます。
分析方法や根拠が具体的に書かれているため、投資判断の良い材料となるでしょう。
学べること | ・決算書や財務諸表の見方 ・割安株、割高株の判断方法 ・専門用語の解説 |
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おすすめポイント | 投資家からの口コミ評価が高いです。 一見難しそうな本に見えますが、内容は株式入門者~中級者まで幅広く対応。 日本株を中心に取引したい人に特におすすめ。 |
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価格 | 単行本 1870円 |
③株式投資:株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書
『株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書』は企業や株価の分析方法のひとつ、テクニカル(チャート分析)を学ぶのにおすすめの1冊。
大手企業の株価チャートを参考にし、著者自らが「自分ならこうする」といった投資手法を明かしています。
本の最後にはチャート分析のクイズが収録されているため、学んだ分析方法を復習するのに役立ちます。
学べること | ・株価チャートの仕組み ・売買のタイミングの見極め方 ・銘柄の選び方 |
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おすすめポイント | 株の買いどき・売りどきが分からない人におすすめ。 株式投資でより利益を出すには、前述したファンダメンタル投資の本も合わせて読むとさらに効果的。 |
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価格 | 単行本 1760円 |
④投資信託:一番やさしい! 一番くわしい!はじめての「投資信託」入門
『一番やさしい! 一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』は本のタイトル通り、初めて投資信託に挑戦する人に向けて、具体的かつ分かりやすい内容。
ほのぼのとしたクマのキャラクターと一緒に、投資信託の基礎から実践まで学ぶことができます。
また投資信託でお金を増やすための戦略として、長期投資・分散投資・低コストの重要性を解説しています。
学べること | ・投資信託の仕組み、特徴 ・投資信託の買い方、選び方 ・投資信託の利益や運用方法 |
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おすすめポイント | 専門的な話を身近な例に置き換えて解説するなど、分かりやすさを重視。 専門用語も比較的少ないため、知識ゼロでも安心して読むことができる本。 |
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価格 | 単行本 1600円 |
⑤投資信託:お金は寝かせて増やしなさい
『お金は寝かせて増やしなさい』では、投資信託の中でも初心者におすすめのインデックス投資について解説されています。
インデックス投資の始め方から、損をしないで終わらせるための出口戦略まで一挙に公開。
金融に詳しくない素人でも資産運用できることを、インデックス投資歴15年の著者目線で語られています。
学べること | ・インデックス投資の実践方法や経験談 ・おすすめの証券会社や口座開設方法 ・やめるタイミングと出口戦略 |
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おすすめポイント | 本書の一番のおすすめポイントは、出口戦略について書かれている点。 多くの本では始め方は詳しく載っていても、やめ方まで載っていません。 投資は始めるよりもやめる方が難しいともいわれているので、貴重な情報です。 |
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価格 | 単行本 1681円 |
一度は読みたい!資産運用のベストセラー3選
お金に関する本は毎年たくさん出版されますが、その中でもベストセラーは多くの人に受け入れられている名著。
ベストセラーは誰にでも読みやすいことを前提に書かれており、内容も説得力があるため一度は読んでおきたいところ。
ここでは、資産運用のバイブルとなるようなベストセラー本を3冊ご紹介します。
①金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
アメリカ人著者、ロバート・キヨサキ氏により書かれた『金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』。
本書では、お金に関する不変の原理原則をつづっています。
「お金の知識をつけることは人生を幸福へ導くこと」といった哲学的な考えが、刺激的な1冊となるでしょう。
資産運用のハウツー本というよりは、モチベーションを上げるための自己啓発本として楽しめます。
学べること | ・勤労とお金の関係性 ・資産運用の大切さ ・金銭的、精神的に豊かになる考え方 |
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おすすめポイント | 初版刊行から20年以上となり、世界109か国で読まれている名著。 不景気により未来に希望を見出せない若年層からは、「お金に対する考え方が変わった」とたくさんの支持を得ています。 |
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価格 | 単行本 1760円 |
②誰も教えてくれないお金の話
『誰も教えてくれないお金の話』は、著者のお金に対する悩みや実体験をもとに書かれたコミックエッセイ。
住宅ローンや生命保険など、身近なお金の話題を中心としています。
お金の知識ゼロの30代主婦目線で書かれた内容は、共感できる部分が多いのではないでしょうか。
「知らないと困るのに誰も教えてくれない」、お金の知識を学ぶことができるはず。
学べること | ・店舗経営に関する金融知識 ・住宅ローンや保険、子育て費用などの家計管理 ・ライフプランの設計方法 |
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おすすめポイント | 漫画形式で話が進むため、活字を読むのが苦手な方でも読みやすくなっています。 内容は入門者向けとなり、資産運用を始める前の事前知識として活用するのがおすすめ。 これまでお金について考えてこなかった人にこそ読んでほしい本。 |
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価格 | 単行本 1430円 |
③お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』では、時代の流れにより不景気が訪れても、お金持ちになるための根底の原理は変わらないことが説かれています。
経済的自由を手に入れるためにはどうしたらいいのか、資本主義社会で成功する資産運用法とは何なのかなどが分かります。
お金持ちの視点や考え方について学べる1冊となるでしょう。
学べること | ・自営業や会社経営に役立つ税金の知識 ・金融資産のリスク分散の重要性 ・お得な金融制度の見つけ方 |
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おすすめポイント | 前述したアメリカの名著『金持ち父さん貧乏父さん』と似ている部分はあるものの、より日本人の立場に立った知識が得られます。 不動産投資についても詳しく書かれているため、不動産投資に興味がある方にもおすすめ。 |
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価格 | 単行本 1199円 |
本を読むだけではダメ!資産運用実践に向けてすること
ここまで、資産運用の勉強に役立つ本を11冊ご紹介しました。
本で資産運用の勉強をするのはとても大切なことですが、読んで満足するだけでは知識を活かしきれません。
本で勉強した後は資産運用を実践してみるのが一番ですが、「本を読んだだけでは不安」という人も多いはず。
そんなときは次の2つを試してみてください。
- セミナーに参加して疑問を解消する
- シミュレーションアプリで試してみる
それぞれ詳しく解説します。
セミナーに参加して疑問を解消する
資産運用の本は工夫して分かりやすく説明されているとはいえ、専門用語や専門知識が多く理解できない部分もあるでしょう。
インターネットで調べるのもひとつの方法ですが、セミナーで直接専門家から話を聞くと、より理解を深められるはず。
セミナーでは時事ネタや最新トレンドの話も聞けるため、本とはまた違った知識が得られるかもしれません。
また、投資家同士のネットワーク作りや情報交換にも役立ちます。
無料で参加できるセミナーや、オンライン開催のセミナーもあるためぜひ活用してみてください。
▼セミナー参加のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
シミュレーションアプリで試してみる
資産運用のシミュレーションアプリを使えば、本で学んだ知識を実践に近い形で試すことができます。
仮想マネーで取引するため、失敗してもお金を失うことがなく安心です。
おすすめのシミュレーションアプリは次の3つ。
トレダビ | あすかぶ! | 株たす | |
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利用可能OS | iOS/Android | iOS/Android | iOS/Android |
元手資金 | 1000万円 | - | 100万円 |
特徴 | 東証のリアルな株式データでデモトレードが可能 | 株価の上昇・下降の2択で予測する | 東証のリアルな株式データでデモトレードが可能 |
大会上位者は景品獲得のチャンスあり | 投資仲間とのコミュニティツールがある | 漫画や動画による学習コンテンツが豊富 | |
証券会社の研修でも利用実績あり | 経済ニュースや企業情報がチェックできる | 証券会社選びのサポート機能がある |
すべての勉強に共通する話ですが、教科書を読んだだけでは知識を使いこなすことは難しいです。
インプットした知識をアウトプットすることで、理解が深まり身につきやすくなるでしょう。
本を読んで資産運用の知識をつけよう
今回は、資産運用の勉強に役立つ本11選をご紹介しました。
本を選ぶときは、知識レベルや投資の種類、生活環境など自分に合ったものを選ぶのがポイント。
また、万人向けのベストセラーから読んでみるのもひとつの方法ですよ。
本を読めばある程度の知識が手に入るので、実際に取引を始めたり、シミュレーションアプリを試したりするといいでしょう。
資産運用を始めた後もお金の知識はアップデートが必要なので、勉強を習慣化していくよう心掛けてくださいね。
資産運用について不安や疑問がある人は、FPなどお金の専門家に相談してみるのも良いでしょう。
当サイトの「お金の健康診断」では、オンライン上でFPにチャット相談ができます。
大手証券会社出身の独立系アドバイザー(FPやIFA)も多数在籍しており、複数のFPとチャットをすることで比較することが可能。
チャット相談は無料かつ匿名なので、ぜひお気軽にご利用ください。

塩畑みなと