「投資はやめとけ」と語る人は、十分な金融知識を持っていない人かもしれません。
確かに投資には損をするリスクがありますが、現金や預貯金にもリスクはあるため、ある程度の金融知識を持っている人は「投資はやめとけ」とは言わないはずです。
この記事では、周囲の「投資はやめとけ」という声に惑わされず、現実的な投資をする方法をお伝えします。
具体的には、
- 「投資はやめとけ」と言われる理由
- 投資のリスク対策
- 株式・投資信託・不動産投資の仕組みとリスク
- 投資の成功率を上げるサービス
を解説。
この記事を読めば「投資はやめとけ」と言われる理由が分かります。
また、リスクを抑えながら投資を始める方法も解説するので、投資に興味のある人はぜひ最後まで読んでみてください。
「投資はやめとけ」と言われる3つの理由
なぜ「投資はやめとけ」と言う人がいるのでしょうか。
まずは「投資はやめとけ」と言われる理由を考えてみましょう。
リスクがあるから
投資にはリスクがつきものなため「投資はやめとけ」と言う人がいるのかもしれません。
どの投資にもリスクとリターンがありますが、初心者が気をつけたいのは信用取引やFXなどレバレッジの効いた投資方法。
これらは手持ち資金以上の金額をかける投資方法のため、大きなリターンを得られる可能性がある反面、借金を抱えてしまうリスクも。
一方で手持ち資金の範囲内で行う現物取引であれば、元本割れのリスクはあっても借金を抱えることにはなりません。
生活に必要なお金はキープしたうえで、生活資金以外のお金を現物取引の投資に回すようにすれば、損失が出た場合でも生活が破綻する事態にはならないはずです。
知識や情報が必要だから
知識や情報が必要なことも「投資はやめとけ」という言葉のもとになっていると思われます。
確かに投資には知識や情報が不可欠なので「利益の出る仕組みが分からない投資はやめとけ」は正解。
ほかにも「資金を預けるだけで年利20%」など、不自然なほどの利回りをうたう投資商品は詐欺の可能性が極めて高いのでやめておきましょう。
知識や情報が不十分なまま、なんとなく投資をするのはダメです。
例えば投資に関する本や漫画を1冊読むだけでも、基本的な投資知識は身に付きます。
ほかにFPなどのお金の専門家に相談するのもおすすめ。
投資を始める前に、投資の基本的な知識や情報を仕入れておくと心強いです。
自己責任であるから
「投資は自己責任」という言葉に間違いはありません。
そう言われると、なんとなく怖い感じがするので「投資はやめとけ」と言いたくなってしまうもの。
しかし「投資は自己責任」と腹をくくり自ら学んでいけば、他人の「投資はやめとけ」という言葉は気にならなくなります。
なぜなら本来、投資はギャンブルとは違い理にかなった資産形成の方法だから。
投資方法や取引のタイミングを自分で判断できるようになれば「投資を始めてよかった!」と思えるようになるはず。
せっかく投資に興味が湧いたのであれば、あまり怖がりすぎずにやってみるチャレンジ精神も大切です。
▼投資知識に自信がない人は、漫画で楽しく学ぶのもおすすめ。
詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
「投資はやめとけ」を鵜呑みにしない!投資のリスク対策を知っておこう
適切なリスク対策は、投資を成功に導いてくれます。
他人の「投資はやめとけ」をうのみにするのではなく、リスク対策の方法を知って上手に投資と付き合うのが理想的です。
ここからは投資のリスク対策について詳しく解説します。
投資の種類ごとのリスクを知ろう
一口に投資と言ってもさまざまな方法があり、それぞれ「リスク・リターンの大きさ」と「想定リスクの種類」が異なります。
以下は国内外の債券と株式のリスク・リターン目安と、想定リスクの種類を表にしたものです。
投資先 | リスク・リターン目安 | 想定リスク |
---|---|---|
国内債券 | 低リスク・低リターン | ・金利リスク(価格が金利変動の影響を受ける) ・流動性リスク(売りたいときに売れない可能性がある) |
先進国債券 | 低リスク・低リターン | ・金利リスク ・流動性リスク ・為替変動リスク(為替相場の影響で価値が変動する) |
新興国債券 | 中リスク・中リターン | ・金利リスク ・流動性リスク ・為替変動リスク |
国内株式 | 中リスク・中リターン | ・価格変動リスク(常に価格が変動する) |
先進国株式 | 中リスク・中リターン | ・価格変動リスク ・為替変動リスク |
新興国株式 | 高リスク・高リターン | ・価格変動リスク ・為替変動リスク |
自分が投資したい商品のリスク・リターンの大きさや、想定されるリスクの種類を必ず把握したうえで購入しましょう。
「余剰資金」で生活を守ろう
投資は余剰資金で行うのが鉄則です。
余剰資金とは「生活に必要なお金を差し引いて残ったお金」のこと。
次に挙げるお金は余剰資金ではないため、投資に回すのはおすすめできません。
- 当面の生活費(食費・月々の固定費など)
- 数年以内に使う予定のお金(車の購入費・旅行費など)
- 緊急時に生活を支えるお金(失業時や入院時の生活費用)
余剰資金で投資をしていれば、万が一損失が出た場合も生活を守ることができます。
また一時的に損失が発生しても、慌てることなく冷静な投資判断ができるでしょう。
▼余剰資金をつくるなら、まずは貯金上手に。
貯金方法について知りたい方は下記の記事をご覧ください。
中長期の投資をしよう
投資初心者は短期間で利益を追求しようとするのではなく、中長期の運用前提で投資をするのがおすすめ。
なぜなら短期間で十分な利益を出せるハイリターン投資は、大きな損失を生むリスクもあるからです。
ローリスクもしくはミドルリスクの投資商品でも、中長期的な運用をすれば複利の力で大きな資産を育てることは可能。
ハイリスク・ハイリターンな信用取引やFXには安易に手を出さず、自分のリスク許容度の範囲内の投資商品で、中長期的な運用による利益獲得を目指しましょう。
分散投資しよう
分散投資は投資のリスク軽減に有効な手法です。
分散投資の具体的なパターンは以下の3つ。
- 資産クラス(銘柄)の分散
- 地域の分散
- 時間の分散
資産クラスの分散とは、債券・株式・REITなど、異なる特徴を持つ資産を複数組み合わせること。
地域の分散とは、国内外の複数の地域・通貨を組み合わせて投資をすること。
そして時間の分散とは、価格が変動する投資商品を積立などで時期をずらしながら購入し続けることです。
分散を意識して投資をすれば、ある投資商品で損失が出ても、ほかの商品の利益でカバーできるため、リスク軽減効果が期待できます。
運用ルールを設定しよう
実際に投資を始めると、お金が絡むために冷静な判断を下すのが難しくなります。
そこで事前に自分なりの投資ルールを決めておくのがおすすめ。
例えば、
- 毎月3万円を投資信託で積立する
- 10%の利益が出た株式は、売却して利益確定する
- 10%の損失が出た株式は、売却して損切りする
など。
特に株式投資の場合、損切りのラインは必ず決めておく方がよいでしょう。
万が一保有する企業の株価が暴落し始めた場合、売るかどうかを迷っているうちに損失が膨らんでしまう可能性があるからです。
▼初心者向けの投資について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【株式投資】の仕組みと注意するべきリスク
投資といえば「株式投資」をイメージする人は多いのではないでしょうか。
「個別株への投資はやめとけ」という人もいるかもしれませんが大きなリターンも期待できるため、これから投資を始める人はぜひ押さえておきましょう。
それでは株式投資の仕組みとリスクを詳しく解説していきます。
株式投資の仕組み
企業が発行する株を購入し、値上がり益や配当金を狙うのが株式投資。
株価が上がるのは、次のようなときです。
- 企業が成長したり業績を上げたりしたとき
- 業界が成長したり注目されたりしたとき
- 景気が上向きのとき
企業は自社の利益獲得に向けて、新商品開発・営業活動・広報活動などさまざまな努力をします。
株主になれば、そんな企業努力により発生する利益の一部を、値上がり益や配当金のかたちで受け取る権利を持てるのです。
また一定数以上の株を持っていれば、カタログギフトなどの株主優待をもらえる銘柄があり、これも株式投資の大きな魅力。
株の購入でお金を出資する代わりに、企業が得た利益の一部を還元してもらえるのが株式投資の仕組みです。
株式投資のリスクに備える
株式投資には「価格変動リスク」と「信用リスク」があります。
価格変動リスクとは、企業の業績や社会情勢によって株価が変動するリスクのこと。
信用リスクとは、企業の業績悪化や倒産により株の価値がなくなるリスクのことです。
このような株式投資のリスクに備えるには、分散投資が効果的。
具体的には、
- ひとつの企業に集中投資せず、複数の企業の株を保有する
- 異なる業界やビジネスモデルの企業に分散させる
- 国内企業だけでなく外国企業の株を保有する
- 単元未満株を積立感覚で少しずつ購入する
などのリスク対策が考えられます。
日本では100株を単元株(株の売買単位)とする銘柄が多いため分散投資が難しいですが、証券会社によっては1株や10株単位での購入も可能。
株式投資のリスク対策として、単元未満株での分散投資も検討してみるとよいでしょう。
【投資信託】の仕組みと注意するべきリスク
投資信託は少額資金での分散投資が簡単にできる金融商品。
実際の運用はプロに任せられるので、投資知識に自信のない初心者や仕事で忙しいビジネスマンも取り組みやすい投資と言えます。
ここからは投資信託の仕組みとリスクを詳しく解説します。
投資信託の仕組み
投資信託の魅力は、数百円から購入可能なうえ、日本中や世界中へ分散投資できる点。
投資信託の運営は、販売会社・運用会社・信託銀行が役割分担をして行います。
私たち投資家が販売会社から投資信託を購入すると、そのお金をひとまとめにして信託銀行が預かり、運用会社が指示を出して運用を実行。
たくさんの投資家から集めた多額の資金を使って、株式・債券・REITなど、さまざまな投資商品に分散投資をします。
そして投資で得た利益は分配金として投資家に還元され、投資信託の価格(基準価格)に反映される仕組みです。
どのような運用をするかは投資信託の商品によって異なり、
- 日本中の株に分散投資する商品
- 世界中の株に分散投資する商品
- 株と債券の両方に一定割合ずつ投資する商品
などがあります。
投資信託の運用方針は「目論見書」という書類に載っているので必ず確認し、自分の意向に合う投資信託を選ぶことが重要です。
投資信託のリスクに備える
投資信託の主な想定リスクは以下の4つです。
- 価格変動リスク…投資先の経営状況や社会情勢により基準価格が変動するリスク
- 信用リスク…投資先の信用評価の変化により基準価格が変動するリスク
- 金利変動リスク…金利の上下により債券の価格が変動するリスク
- 為替変動リスク…外国の株や債券が投資先の場合、為替変動の影響を受けるリスク
上記リスクにより投資信託の基準価格が下がり、投資元本を下回る可能性があることを知っておきましょう。
投資信託のリスク対策には分散投資や長期投資が効果的。
具体的には「毎月一定額を長期間積立購入する」ことで、分散投資によるリスク軽減効果や、複利による資産形成の効率アップを狙えます。
また運用をプロに任せる分、投資信託の保有中には必ず手数料が発生することにも注意が必要。
投資信託の手数料は販売会社や商品によって違うため、なるべく安いコストで運用可能な商品を選ぶことが大切です。
【不動産投資】の仕組みと注意するべきリスク
不動産投資といえば「家賃収入による不労所得」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
不動産投資は上手くいけば安定した収入を得られます。
しかし専門知識や人脈、資金力を必要とするため、株や投資信託など有価証券への投資に比べると難易度が高いです。
ここでは不動産投資の仕組みとリスクを解説するので、興味のある人は参考にしてみてください。
不動産投資の仕組み
不動産投資で利益を得る仕組みは「家賃収入」と「物件の譲渡益」の2パターンが考えられます。
いずれにせよ、物件を購入するための多額の資金がなければ不動産投資は難しいでしょう。
不動産投資ローンを使えば、手元に資金がなくても物件を購入し不動産投資を始めることもできますが、その分リスクは大きくなります。
また、利益を生み出せる物件を見極めたり、リフォーム業者を手配したり、借主から家賃を回収したりと、不動産投資には知識・人脈・時間と手間も必要。
片手間で簡単にできる投資ではないため「不労所得のつもりで不動産投資に手を出すのはやめとけ」という意見は、的を射ているかもしれません。
不動産投資のリスクに備える
不動産投資には
- 空室リスク…借主が見つからず家賃収入が得られないリスク
- 天災リスク…天災による損害を受けるリスク
- 金利上昇リスク…借入金の金利が上昇し返済額が増えるリスク
- デフレリスク…物価が下がることにより家賃や不動産の価値が下がるリスク
などのリスクが想定されます。
不動産投資は成功すれば大きなリターンが期待できますが、その反面リスクも大きいため、より慎重な判断が求められるもの。
いざというときに判断を誤らないよう、信頼できる相談先を見つけたうえで取り組むことをおすすめします。
もっと気軽に不動産投資に挑戦したいなら、REIT(リート)を選ぶのもひとつの方法。
REITとは「不動産投資信託」のことで、不動産への投資を間接的に少額から始められる金融商品です。
物件取得や運営は専門家にお任せし、配当金というかたちで不動産投資による利益の還元を受けられます。
投資成功率が上がる?便利なサービスを活用しよう
「投資はやめとけ」という言葉が気になってしまう初心者は、AIや専門家に相談できる便利なサービスを使ってみるのもおすすめです。
例えばロボアドバイザーサービス。
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お金の専門家から個別にアドバイスを受けられるので、投資に対する不安や疑問を解消できるでしょう。
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「投資はやめとけ」と言われたら専門家に相談しよう
この記事では「投資はやめとけ」と言われる理由を解説しました。
また合わせてリスクを抑えながら投資を始める方法も紹介しました。
一口に投資と言っても、その仕組みやリスクはさまざまです。
それにもかかわらず、とにかく何でも「投資はやめとけ」と言う人は、十分な金融知識を持っていない可能性が高いため惑わされないようにしましょう。
投資を始めるべきか迷ったら、金融知識の豊富なFPなどの専門家に相談することをおすすめします。
不安や疑問がなくなれば、他人の言葉を気にすることなく自分の判断で投資に取り組めるようになりますよ。
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大渕ともみ