こんにちは、ファイナンシャルプランナーの池田昇太です。
皆さんは「節約生活」と聞くと、どのようなことをイメージしますか?
生活を切り詰めたり、我慢したりすることを連想するため、「苦しそう」とイメージする人も多いのでないでしょうか。
しかし、節約はポイントを押さえれば苦しむことなく継続可能です。
とはいえ、「具体的に何をすればいいの?」「特に家計から削れるところは無いと思う」と感じる人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、効率的に節約する方法や、息抜きしつつ楽しみながら節約するためのコツをお伝えします。
具体例を交えながら分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
どのくらい貯金すべき?みんなの平均貯金額
多くの人の節約生活の目的は、お金を貯めることですよね。
しかし、「自分の貯金は多いか少ないかわからない」「一体いくら貯めればいいんだろう?」と疑問に思う人もいるはず。
そこで、ここでは年代別の世帯主の平均貯蓄額をご紹介。
目標貯金額を設定する時の参考にしてみてください。
まずは独身世帯の平均貯金額から見ていきます。
金融広報中央委員会が令和元年に行った 『家計と金融行動に関する世論調査』の「金融商品の保有額」(金融資産非保有世帯含む)によると、単身世帯の平均貯金額は以下の通りでした。
【単身世帯の金融資産保有額】
平均値 | 中央値 | |
20代 | 106万円 | 5万円 |
30代 | 359万円 | 77万円 |
40代 | 564万円 | 50万円 |
50代 | 926万円 | 54万円 |
60代 | 1,335万円 | 300万円 |
出典:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (知るぽると)
上記の金額は預貯金だけでなく、貯蓄性のある生命保険、債券や株式、投資信託など金融商品を含めたものです。
平均値と中央値でかなり差があるものの、年齢が上がるにつれて、資産保有額も上がっていることが分かります。
次に厚生労働省の「国民生活基礎調査」から年代別の世帯主の平均貯蓄額をご紹介します。
上記のデータによると、各年代の平均貯蓄額は以下の通りです。
20代:154万8,000円
30代:403万6,000円
40代:652万円
50代:1,049万6,000円
60代:1,337万6,000円
先ほどの単身世帯の資産保有額と比較すると、上記の世帯主の平均貯蓄額の方が上回っています。
このデータは配偶者や子どものいる家庭も含まれているため、世帯主は将来に備えて貯金したいと考えるのかもしれません。
これから貯金する人は、これらのデータを参考にして目標の貯金額を設定してみましょう。
▼年代・世帯別の貯金額を詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
節約生活を長続きさせるコツ
節約はとにかく継続することが大切。
節約を続けてコツコツ貯金していけば、やがて大きな額になっていくからです。
1か月5,000円の貯金でも1年続ければ60,000円となり、3年続ければ180,000円に。
決して少ない額ではありません。
そこで、ここからは節約生活を長続きさせるコツをご紹介していきましょう。
①節約生活のコツ:費用対効果の大きい部分から見直す
節約は費用対効果の大きい部分から着手することがポイント。
費用対効果を意識した方が効率的に節約・貯金ができる上に、モチベーション維持にも繋がります。
例えば後述する「家賃交渉」は、始めに不動産業者と交渉するので、面倒に感じる人もいます。
しかし、交渉が成立して家賃を下げられれば、下がった分だけ毎月のコストが削減できるのです。
また、同じく後述する「格安SIM」の場合、最初に通信会社を探したり契約方法などを調べたりする手間があります。
しかし一度契約してしまえば、毎月の通信費の削減が可能です。
このように費用対効果を意識すれば、最初に少し努力するだけで後々に大きな恩恵を受けられます。
②節約生活のコツ:ストイックになり過ぎない
無理をして節約をすればストレスが溜まり、やがて限界が来る可能性があります。
また、節約すること自体にマイナスイメージを持ってしまう恐れも。
そのため、無理のない範囲での節約を心がけ、「節約を続けること」を意識しましょう。
「月に一度は美味しいケーキを食べる」などのように、定期的に好きなことをして無理のない節約生活の習慣づけが大切です。
③節約生活のコツ:先取り貯金で貯めグセをつける
「なかなか貯金ができない」、「直ぐに使ってしまう」と悩んでる人もいるでしょう。
そんな人は、「先取り貯金」がおすすめ。
先取り貯金とは、毎月余ったお金を貯金に回すのではなく、あらかじめ貯金額を決めておき、定期的に貯金する方法です。
先取り貯金を活用すれば、どうしてもお金を使い過ぎてしまう人でも強制的に貯金ができます。
また、続けることで貯めグセがつきます。
先取り貯金に利用できる制度は、「財形貯蓄制度」や「自動積立定期預金」など。
財形貯蓄制度とは、毎月の給与から一定額が天引きされ、指定の金融機関に送金される制度です。
この制度を利用すれば、お金の管理が苦手な人でも毎月一定額の貯金が可能。
なお、勤め先の企業が財形貯蓄制度を導入していない場合は、利用できません。
自動積立定期預金とは、毎月一定額が普通預金口座から引き落とされ、定期預金口座に移される預金方法です。
定期預金であるため一定期間はお金をおろせませんが、貯金したいなら効果的。
誰でも銀行で利用できるので、ぜひ活用してみてください。
④節約生活のコツ:勉強や旅行など自己投資になるものはお金を使う
節約・貯金することは大切ですが、自己投資も同じくらい大切です。
例えば社内の出世に必要な資格・語学の勉強や、見聞を広めるための旅行など。
自己投資で得た知識・経験・スキルは、後々に大きな収益に繋がるケースあるため、自己投資にはお金を使うことをおすすめします。
ただし、注意点は学習に必要な費用・方法をは慎重に選ぶこと。
例えば、株式投資の始め方を学びたい人がいたとします。
株式投資の始め方を知る手段は、セミナー・コンサルティングなどで誰かから教わる方法と、書籍・インターネットを利用して一人で学ぶ方法など。
いずれの方法にもメリット・デメリットがあります。
セミナー・コンサルティングのメリットは、他人から直接レクチャーを受けられるため自分で調べる手間がかからない点であり、デメリットは書籍・インターネットよりも料金が高額になるケースがある点です。
一方で書籍・インターネットのメリットは、かかる費用は書籍代・ネット通信費などであるため安く済む点であり、デメリットは他人からのサポートを受けられない点です。
このように、学習方法によってメリット・デメリットがあります。
このように、学習方法は他の手段で代用したほうがコストパフォーマンスが良い場合もあります。
そのため、さまざまな手段を比較検討し、自分に合った価格・勉強方法を選択しましょう。
節約術8選!効果の大きい順に紹介
ここまで平均の貯金額と、節約生活を長続きさせるコツをお伝えしてきました。
ここからは、具体的な節約方法をご紹介してきます。
できそうなものから実践してみましょう!
①節約術:住居費の見直し
住居費は毎月の大きな固定費。
なるべく住居費を低くして、毎月の貯金に回すお金を増やしたいですよね。
そこで、住宅が賃貸である人を対象に、住居費を見直す方法を2つお伝えします。
次回の引越しの際に、ここで紹介する方法を参考にして住居費削減に挑戦することをおすすめします。
1つ目の方法は、住居費は月収の25〜30%にすること。
FPの中には、「住居費は月収の3分の1が目安」と話す人もいます。
しかし、なるべく家計を圧迫しないようにするために、月収の25〜30%の範囲内で決める方がより適切です。
2つ目の方法は、家賃交渉すること。
不動産会社に行った時、担当者に家賃を下げてもらえないか交渉してみましょう。
交渉のコツは、繁忙期を避けることです。
繁忙期は多くの人が引越しのために不動産会社に訪れますので、1人の客に対して長い時間は割けないため。
不動産会社の繁忙期は1〜3月の入学・入社シーズン前と、9〜10月の異動・転勤シーズン。
これらの繁忙期を出来るだけ避けてトライしてみてください。
②節約術:スマホなど通信費の見直し
スマホなどの通信費を見直すことも有効です。
たとえば、使っていない有料サービスを解約し、必要なサービスだけ残すようにします。
または、格安SIMの利用もおすすめです。
格安SIMとは、大手3キャリア(DoCoMo・au・SoftBank)とは異なる通信事業者が提供するサービスです。
格安SIMを利用すれば、大手3キャリアよりも安い通信費で契約可能なので、通信費削減に役立つでしょう。
例えばIIJmioが提供する「音声通話機能付きSIM(ミニマムスタートプラン 月3G制限あり)」であれば、ひと月1,600円から利用できます(2020年7月現在)。
ただし、格安SIMの通信速度は大手3キャリアよりも遅くなる可能性があるので、注意してください。
③節約術:保険料の見直し
民間保険加入者の中には、「自分が入っている保険の内容が分からない…」という人もいます。
そんな人は、不必要な保険に入っているかもしれません。
固定費を見直す時は、現在加入している保険のチェックをおすすめします。
例えば生命保険加入時に、さまざまな特約を付けた人もいるのではないでしょうか。
特約には、入院・手術・通院特約や特定疾病特約、障害特約などがあります。
これらの生命保険特約は、他に加入している医療保険や損害保険と重複しているケースもあるのです。
このような場合、片方を解約すれば保険料の削減ができます。
他にも既に子どもの就学時期を終えていたり、遺族年金などの公的保険を考慮したりした場合、保障内容が必要以上に厚いと気付くケースも。
保険の見直しは、ぜひともやってみてください。
④節約術:契約中のジムや習い事、サブスクサービスを見直す
会員制のスポーツジムや習い事。
始めのうちは積極的に通っていたものの、だんだんと行かなくなってしまい、会費だけ払っている…なんて経験はありませんか?
他にもサブスクリプションと呼ばれる、定額制サービスも見直しの対象です。
例えばNetflixなどの動画配信サービス、OFFICE PASSなどのシェアオフィスサービス、マッチングアプリなど。
このように毎月の固定費をチェックすると、カットすべき支出があると気付くでしょう。
⑤節約術:車が必要ならカーシェアリングなどを検討する
自動車を保有している人は、自動車が本当に必要かどうか再検討してみましょう。
もし自動車を使う機会が少ないのなら、思い切って手放し、自動車を使う時だけカーシェアリングを利用する方法もあります。
自動車を保有している時にかかる費用は、以下の通りです。
・自動車税
・自動車重量税
・自賠責保険(強制加入と任意加入の2種類)
・車検費用
・メンテナンス費用(オイル、タイヤ、バッテリーなど)
・ガソリン、軽油代
・駐車場代
自動車を保有している人の中には、トータルで毎年10万単位の金額を支払っている人も多いのではないでしょうか。
一方で、カーシェアリングの利用料金を見てみましょう。
例えば「タイムズカーシェア」では、車種によりベーシック・ミドル・プレミアムの3種類に分けられ、それぞれ値段が異なります。
もっとも安いベーシックを利用した場合、48時間の利用で14,190円(2020年7月現在)。
年間で利用する回数を考えた場合、保有している自動車を手放してカーシェアリングを利用した方が安く済むケースもあるかもしれません。
年にどれだけ自動車を利用しているかを把握して、年間の固定費とカーシェアリングの利用料金のどちらがお得か比較してみましょう。
⑥節約術:簡単でOK!家計簿をつけてお金の流れを把握する
家計簿は毎月の収入・支出が管理できるため、節約・貯金をする際に便利なツールです。
例えば毎月の支出を家計簿で記録すれば、支出の内訳がわかります。
コンビニでの支出や、会社の飲み会など、人によって支出のクセが見えてくるはず。
不必要な支出のクセが分かったら、思い切って支出をカットして節約しましょう。
家計簿は市販のものを購入したり、普通のノートを家計簿代わりにしたりする方法があります。
また、無料で利用できるスマートフォン用家計簿アプリも利用可能です。
無理せず続けられる方法を探してみてください。
⑦節約術:飲み会の回数を減らす
節約するなら普段参加している飲み会の意義を、改めて考え直してみましょう。
普段の飲み会で新しい発見があるか、会社や上司などの愚痴で終わっていないか、惰性で参加していないかなどを意識して、本当に必要な飲み会かどうか判断することが大切です。
ただし、人脈を広げたり大切な人との関係を築いたりするような有意義な飲み会や、本当に行きたい飲み会には参加しましょう。
また、外食のし過ぎにも注意が必要です。
とはいえ、一人暮らしの場合だと自炊よりも外食の方がコストを抑えられるケースも。外食も必要に応じて利用しましょう。
⑧節約術:食品や日用品はふるさと納税でお得にゲット
節約は過度に頑張り過ぎるとストレスが溜まってしまうので、無理なく継続できる方法にしたいもの。
そこで、おすすめなのがふるさと納税。
「知ってるけど、いまいち仕組みがわからない」「確定申告など面倒そう…」と思っている人もいるのでは。
ふるさと納税とは好きな自治体を選んで寄付をすると、寄付金のうち2000円を除いた金額が所得税の還付・住民税の控除が受けられるというもの。
返礼品制度を採用している自治体から、お肉や魚介類、お米など食品のほか、家電や金券などさまざまなものが贈られます。
つまり、好きな自治体に寄付を申し込むと、2000円でお得に返礼品が受け取れるのです。
返礼品はカニや和牛、うなぎなどの高級食材も人気ですが、お米やトイレットペーパーなど日用品も多くあるので節約になります。
さらに、面倒そうな確定申告も必要書類を記入し送付するだけの「ワンストップ特例制度」(※)を利用すれば、確定申告は不要で寄付金控除が受けられます。
ワンストップ特例制度は、寄付をした翌年の1月10日までに申請書が寄付先自治体へ必着なので、直前で慌てることがないよう今のうちに試してみてくださいね!
(※)制度を利用するためには、申し込む自治体は5か所以内が条件。
ふるさと納税を始めるなら、豊富な返礼品を取り扱う人気サイト「さとふる」、または「ふるなび」がおすすめ。
「さとふる」は、取扱う自治体と返礼品の数が多く、特に食品の充実度はトップクラス。
迅速な配達も魅力で、他サイトでは到着まで1~2か月前後かかることが多いですが、「さとふる」は最短1週間で到着します。
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一方、「ふるなび」は食品のほか、空気清浄機やコードレス掃除機、テレビなどの家電製品も取り扱っていることが特徴。
さらに、Amazonギフト券のプレゼントキャンペーンが多く実施されており、返礼品プラスAmazon券と実質的に還元率がアップするのがメリットです。
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▼おすすめの返礼品を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
【応用編】節約生活に慣れたら資産運用も考えよう
節約生活に慣れ、貯金額が増え始めたら資産運用も視野に入れましょう。
なぜなら、銀行預金の金利はとても低く、預けているだけでは資産が増えないため。
現在の銀行の普通預金の金利は、ほとんどが0.001%。
財形貯蓄制度や定期預金を利用しても0.002%です。
これでは、せっかく節約して貯めたお金を銀行に預けても、銀行の低利率では全く増えません。
そこで、効率的に資産を増やすなら、銀行預金以外の運用がおすすめです。
具体的な運用方法を3つご紹介します。
1つ目は個人向け国債です。
国債とは、日本国が発行する債券のことであり、最低利率は0.05%。
少しでも安全にお金を増やしたい場合に利用すると良いでしょう。
2つ目は社債です。
社債とは、一般企業が発行する債券のことであり、利率は企業により異なります。
例えば、過去にソフトバンクは年利2.13%の無担保社債を発行しました。
銀行預金や個人向け国債よりも高い利率です。
ただし無担保社債は、企業が債務不履行になった際に元本を下回るリスクがあるので、注意が必要。
個人向け国債よりも少しリスクをとって運用したい人におすすめします。
3つ目は積立NISAです。
積立NISAとは、投資で得た利益を一定限度額まで非課税にできる制度。
積立NISAを利用すれば、国が厳選した投資信託銘柄に投資できます。
運用で得た利益は、年間400,000円分までなら非課税です。
運用利率は社債を大きく上回るケースもあれば、元本を下回るケースもあります。
債券よりもさらにリスクをとってリターンを狙う人に向いている運用方法です。
このように、銀行預金を上回る利率で運用する方法は数多くあります。
しかし、なかには「投資はお金がなくなりそうで怖い」と考える人もいるでしょう。
そんな人は「なくなっても大丈夫」と思える金額からスタートするのがおすすめ。
さまざまな方法を少額で試しながら、自分にあった運用方法を探すと良いでしょう。
簡単なことから始めて節約生活を楽しもう
節約生活と聞くと、毎日ほしいものを我慢しながら生きていくように感じる人もいるかもしれませんが、それでは長続きしません。
節約生活を継続するためには、ストイックになり過ぎないことや、費用対効果の大きいところから見直しすることがポイント。
今回ご紹介したコツや節約術を参考にしてみてください。
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池田 昇太