執筆者: 渡邉 浩子 (税理士法人ネイチャー)
得意分野: ライフプランニング、保険、資産運用、老後資金、相続、不動産
- ■ 国外財産調書とは?
- ■ 誰に提出義務があるの?
- ■ 対象になる国外財産とは?
- ■ 出さなかった場合のペナルティは?
- ■ 国外財産調書のよくある失敗例
- ■ 税務署は富裕層の国外財産にターゲットを絞っている
- ■ 専門家にご相談ください
- ■ どんなことでもOK!お金のプロに相談しよう
今回は、海外資産を所有されている方に向けて、国外財産調書に関する内容を紹介します。
知らないとペナルティーを受ける可能性があるので、該当する方はチェックしてみてください。
■ 国外財産調書とは?
国外に合計額5,000万円を超える財産を保有する日本の居住者の方は、「国外財産調書」を提出する義務があります。適正な課税・徴収の確保のため、平成26年に義務化されました。罰則規定が設けられていることが特徴です。
「どんな人が提出しないといけないのか」といったことや、「よくある失敗例」について、皆様にお伝えさせて頂きます。
■ 誰に提出義務があるの?
【提出義務者の要件】
①日本の居住者(「非永住者」を除く) |
②その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する個人 |
上記の両方を満たす方は、翌年の3月15日までに「国外財産調書」を提出しなければなりません。裏を返せば法人で所有している場合や、非永住者(もしくは非居住者)にあたる場合には、提出義務は無いということになります。
■ 対象になる国外財産とは?
国外財産は「国外にある財産」を指します。「国外にある」かどうかということは、相続税法第10条「財産の所在」の規定から、12月31日の財産の現況により判定していきます。
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上記の財産について、12月31日時点の時価又は、時価に準ずるものとして見積価額を記載します。
■ 出さなかった場合のペナルティは?
国外財産調書を提出した資産について申告漏れが生じた際には、過少申告加算税等について、5%減額されます。裏返しに、国外財産調書を提出していなかった資産の申告漏れが生じた際に、過少申告加算税等が5%加重されます。また、国外財産調書を正当な理由なく提出期限内に提出しなかった場合や、偽りの記載をして提出した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることがあります。
また令和初の税制改正で、納税者が指定された期限までに必要な資料を提出しない場合、加算される税額が5%から10%になることとなりました。
■ 国外財産調書のよくある失敗例
海外不動産等に投資されている方でよくあるのが、借入を控除した後の純資産額が5000万円以下の場合に調書を出さないと思われているケースです。実際には資産の額で判別する為、注意が必要です。
■ 税務署は富裕層の国外財産にターゲットを絞っている
国税庁HP記載の情報によると海外投資等を行っている「富裕層」への調査件数は862件(前年比161.7%)で平均827万円の追徴課税を行ったとのことです。その背景にはCRS(共通報告基準)の導入が挙げられます。
CRSとは海外の税務当局と金融口座の情報を交換する制度です。
60か国以上の国とCRS(共通報告基準)情報のやり取りを自動で行うことで、毎年の海外口座の情報が日本の課税当局に送付されています。富裕層の海外資産は重点的に税務調査の対象になっているため、国外財産調書の提出をオススメ致します。
■ 専門家にご相談ください
国外財産調書の作成には手間がかかり、不備が出る可能性もございます。特に保有資産の多い方は高いリスクがございますので、専門家に委託・相談されることを推奨いたします
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得意分野:ライフプランニング・保険・資産運用・老後資金・相続・不動産
渡邉 浩子
- ライフプランニング
- 保険
- 資産運用
- 老後資金
- 相続
- 不動産
コメント
こんにちは、税理士法人ネイチャー国際資産税にて大阪支店長をしております
税理士の渡邉浩子と申します。
経歴:税理士資格取得後、大手税理士法人にて、米国勤務。
帰国後「日本一富裕層を知る税理士法人」である税理士法人ネイチャー国際資産税にて、
国内外の資産税を中心とした資産運用、資産承継、税務、相続、などについて25年以上の税理士人生から幅広いご提案を行っている。年間100件を超えるセミナー・講演を実施する人気の講師であり、長年の経験に裏付けられた語り口でファンも多い。