『21世紀の資本』r>g

 


資本

執筆者:氏家大輔/ブロードマインド 株式会社
得意分野:家計改善, ライフプランニング, 教育資金, 保険, 資産運用, 住宅ローン, 老後資金, 相続

『21世紀の資本』r>g

「本年で、いや、この10年で最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」
ポール・グルーグマン(プリンストン大学教授)

2014年に日本でも発売され、世界的なベストセラー『21世紀の資本』はまだ皆さんの記憶にも新しいところかもしれません。
700ページ以上に渡る経済学書ですから、一般の方が読み込むのは難しいかもしれませんが、経済的な格差の実態が過去100年以上前から現代まで、日米欧でどのように推移してきたかを分析しています。
その中で導き出された公式が「r>g」です。
「r」というのは資本収益率のことで、「g」というのは経済成長率のことを指します。
資本収益というのは不動産や株、債券などから得られる、賃料、配当、利子などのいわゆる不労所得です。
一方、経済成長というのは国民が豊かになることを意味し、労働から得られる所得の増加と言い換えることもできます。
つまり「r>g」というのは、不動産や株、債券などから生み出される不労所得の増加率の方が、労働から得られる労働所得の増加率よりも常に高いということです。
また、その差は今後ますます拡大していくというのが著者であるトマ・ピケティの主張です。

人口知能「AI」

なぜ今後もその差は拡大していく可能性が高いのでしょうか?
そのひとつの要因として人口知能「AI」などの技術革新があります。
たとえば、簡単な事務処理や作業等をしている労働者とそれを雇う経営者(資本家)をイメージしてみましょう。
すでに現在進行形で進んでいる現象ですが、簡単な事務処理や作業等は「AI」などの機械化技術で人よりも正確に処理できるようになってくると言われています。
経営者(資本家)の目線でいえば、その技術の導入コストと労働者を雇うコストを天秤にかけることになりますが、導入コストが低くなれば、労働者を雇う理由が少なくなります。
ロボットなどの機械や人工知能は生身の労働者と違い、ヒューマンエラーがありません。また、お昼休憩に行ったり、喫煙やお手洗いなどで席を外したり、居眠りしたり、といったこともありません。文句も言わずひたすら24時間働き続け、すでに今の技術レベルでも一台のロボットが何人分もの仕事を一手にこなすといわれていますからきわめて合理的です。
合理的に人件費をカットすることができれば、当然ながら生産性は向上し、会社の利益(資本収益率)は成長していきます。

資本収益(不労所得)を得る

一方、技術革新で押し出される形となった労働者はどうなるでしょうか?

当然、これまでと同様に高い給与では雇ってもらえるはずはなく、クビを切られるか、給与のダウンを受け入れて雇ってもらうか、といった状況になっていきます(労働所得の成長率鈍化)。
すでに引退されて労働者という立場にない方は関係ないと思われるかもしれませんが、日本の公的な年金制度では、現役世代が稼ぎ出した労働所得をベースに保険料がおさめられ、それが年金受給世代の年金の原資になります。
それゆえに、現役世代の労働所得の伸び率鈍化は年金受給世代にもしわ寄せがくるのは避けられません。
そんな時代の流れにあって、多くの皆さんにとってできることは何なのでしょうか?
実はとてもシンプルで、少しでも資本家の側に立って資本収益(不労所得)を得ることに尽きます。
世の中の経済的格差の拡大を一個人が止めることはできなくても、不動産を買ったり、株を買ったり、債券を買ったり、といったことは個人の自由であり、自らの意思でいつでもそういった選択が可能です。
不動産にしても、株にしても、債券にしても、相場があることですから当然リスクはあります。いい時ばかりではありません。
しかし、「r>g」という歴史的事実を理解するのであれば、資本家の側に立つ選択をされた皆様は次世代を生き抜く確かな選択をしていただいていると言えるのではないでしょうか。

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執筆者

得意分野:家計改善, ライフプランニング, 教育資金, 保険, 資産運用, 住宅ローン, 老後資金, 相続

フィナンシャルプランナー 氏家大輔

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コメントCFP(日本FP協会認定)/1級FP技能士/IFA(証券外務員一種)/相続診断士/貸金業務取扱主任者: 全国に約2,000名のクライアントを抱えるコンサルタントとして活動中。 年間600件の個別相談のほか「マネー・ライフプランニング」「資産運用」「保険」「確定申告」「住宅ローン」「相続」等のテーマのセミナーで登壇。

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