FPに相談するとはどういうことなのか?



「FPに相談するとはどういうことなのか?」

ファイナンシャル・プランナーって、そもそも何?

ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)に相談することを考える前に、そもそもFPというのはどういう人なのでしょうか。まずはそのあたりを確認しておきたいと思います。
FPと言うと、資格!というイメージをお持ちの方も多いかと思いますので、資格から確認してみましょう。

 

■ FP資格

まずFPに関する資格ですが、代表的なものとして国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士(1級、2級、3級)と、民間資格であるAFP、CFPがあります。前者は、厚生労働省が実施している技能検定制度で、後者はNPO法人日本FP協会が認定を行っているものです。AFPは日本国内での資格ですが、その上級資格であるCFPは、世界24カ国・地域で認められているもので、世界共通水準のファイナンシャル・プランニング・サービスを提供できる能力を証明する資格となっています。
FPの代表的な資格としてはこのようなものがあるのですが、実は、FPはこれらの資格を持っていなかったとしても、「私はFPです」と言うことができるのです。弁護士さんや税理士さんは資格取得者でなければ「私は〇〇士です」とは言えませんが、FPに限っては、そのような条件が課されていないのです。ですから、特段、これらの資格を持っていなくても、FPとして仕事をされている方はいらっしゃるのです(それほど多くはないと思いますが)。

 

■ FPの方の経歴

このように資格の保有状況はFPを名乗る上では関係ないのですが、一方で、FPの方の経歴は様々です。銀行、証券会社、保険会社などの金融機関出身の方もいれば、不動産業界出身、さらには弁護士、税理士、司法書士などの士業をやりながらという方もいらっしゃいます。また、もともとは一般的な事業会社出身で、FP資格取得を機にFPに転身された、という方もいらっしゃいます。
このように、一言でFPと言っても、それぞれの方の経歴は実に様々です。ですので、各FPは得意分野、不得意分野があるのが一般的です。例えば保険会社出身の方であれば保険分野は強いでしょうし、税理士の方であれば相続や税金などについては一般的なFPと比べてその専門性が高いでしょう。
このような事情があるため、何か家計の困りごとについてFPに相談する場合は、相談したい内容がそのFPにとっての得意分野かどうかというのが一つ重要になってきます。

 

■ FP業以外のビジネスに所属しているFPか、FP業そのものをやっているFPか

また、別の観点として、FP業(具体的には次の段落でご説明します)以外のビジネスに属しているFPなのか、FP業そのものをやっているFPなのか、というものがあります。

これは具体例がわかりやすいと思います。
例えば、銀行員として働いている方がFP資格を保有されている場合、その方は、融資や決済、さらには金融商品の仲介といった形で売上を上げていますので、お客様の相談に応じる際には特に相談料を取らないのが一般的です。これは、不動産業や生命保険/損害保険といった保険業でも同じことでしょう。
一方、FP業そのものをやっているFPは、一般的にはこういった金融商品販売や不動産仲介などの売上を前提としていませんので、あくまでお客様の相談を受ける際には相談料を受け取る形で行っていることが多いです。

 

FPの3大業務

では、FP業とは何を意味しているのでしょうか。一般的には、FPには3大業務と呼ばれる業務があり、

1. セミナーや講演などの講師業

2. 書籍や記事、コラムなどの執筆業

3. お客様の相談に対応する相談業

の3つを3大業務と呼んでいます。

これら3大業務のすべてを行っているFPもいれば、3つのうち1つだけ、もしくは2つだけといった一部の業務のみを行っているFPもいます。

 

FPへの相談は有料?無料?

ここまでご説明したように、一言でFPと言っても、どのような立場にいるかはそれぞれです。各FPのビジネスモデルによっては、アドバイスの内容がそのビジネスモデルに引っ張られてしまう可能性があることは認識しておく必要があるでしょう。
例えば、資産運用についての相談をした場合、証券系のFPであれば株式、債券、投資信託などの有価証券を、保険系のFPであれば保険商品を勧めてくるといった傾向があるかもしれません(必ずそうなるとは限りませんが)。
このようなことが起こるかもしれない場合には、次のような方法で、そのアドバイスが妥当なものか判断していくのがよいでしょう。

 

1. 自分で信頼できると思える情報(ネットや書籍、セミナーなど)をあらかじめ入手、勉強し、相談内容についての理解を深め、自分なりの仮説を考えておく。

 

2. 無料相談のFPのみならず、有料相談のFPへも同時に相談するなど、セカンドオピニオンを確認する(できる限り有料を避けたいということであれば、無料相談2ヶ所でもよいかもしれませんが、できるだけ性質の異なる相談相手を選ぶことが大切です)。


1つ目の自分で学ぶというのは、結果的には様々なお金に関する一生モノの知識を身に付けることができる可能性もあり、それができれば素晴らしいことではあるのですが、やはり時間がかかります。FPの説明を理解できるよう、ある程度の基礎は理解しておく必要はあるものの、もっと詳しくなってから、と思っていてはいつまで経っても相談できなくなってしまう可能性もあります。


そこで、重要になってくるのが2つ目のセカンドオピニオンです。できれば、金融機関や不動産会社などとの利害関係のない独立系FPに相談料を払ってセカンドオピニオンを得るというのが、多少のお金はかかるものの、時間は節約できますので、現実的な方法かと思います。相談料は一般的に1時間1万円程度かと思いますが、例え5時間相談しても5万円程度です。
住宅購入とそれに伴う住宅ローンの借り入れや、生命保険の契約など、一度契約するとその支払額は数百万円から数千万円といった高額になるような意思決定をすることも人生ではありますが、数万円の相談料をケチったがために結果的に高い買い物になってしまった、ということにもなりかねません。そのような意味で、セカンドオピニオンを取得するというのが大切だと思います。


ただ中には相談料を払うのはやはりもったいない、とお考えの方もいらっしゃるかと思います。そのような場合は、無料で相談できるところであったとしても、できるだけ複数の相談をすることで、いろいろな意見が見えてくるかと思いますので、ぜひ無料相談であってもセカンドオピニオンを取得して頂ければと思います。その場合、金融機関や保険の代理店といった商品販売を前提とするFPに複数聞くのではなく、一方は、各自治体や日本FP協会などが行っている無料相談を利用するなど、できるだけ属性の異なるFPに相談することが重要です。特に金額の大きい契約などを検討している場合には、時間をかけて、しっかり検討するようにしましょう。

 

最後に

筆者自身が独立系FPという立場で仕事をしているため、独立系FP寄りの意見になっている可能性は否定できません。その点はご理解頂ければと思います。
いずれにしても、一つ言えることは、無料相談であっても親身にお客様第一で相談に乗ってくださる方もいるでしょうし、有料相談にもかかわらず、適切なアドバイスが得られないといったこともあり得るということです。最終的には、各FPの個々人の能力次第でアドバイスの価値は大きく異なりますし、それに対して支払うべき対価も異なってくると思います。


自分にあったいいFPを見つけるのは容易なことではないかもしれませんが、お金の問題は適切な知識を持っているかどうかで大きく判断を誤ってしまう可能性もあります。FPを選ぶ際には、本記事でご説明したような背景があることを考慮に入れつつ、適切なFPを探して頂ければと思います。

執筆者

得意分野:ライフプランニング・保険・資産運用・相続・住宅ローン

横田 健一

  • 家計改善
  • ライフプランニング
  • 教育資金
  • 保険
  • 住宅ローン
  • 資産運用
  • 老後資金
  • 相続

コメント株式会社ウェルスペント 代表取締役 /CFP®(日本FP協会認定)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、住宅ローンアドバイザー、二級DCプランナー(企業年金総合プランナー) 。東京大学大学院修了後、2001年野村證券株式会社に入社。金融派生商品の開発やトレーディング、企画を経て、退職。2018年2月株式会社ウェルスペントを設立。 ▶︎ 資産形成ハンドブック/株式会社ウェルスペント

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