40歳からでも「老後までに2000万円の貯金」は作れるのか!?


老後までに2000万円の貯金

今年6月に公表された金融庁の報告書で話題となった『老後資金2000万円不足』問題。

ニュースやSNSを見て、「将来のお金に関するモヤモヤ・不安」を改めて感じた方も多いのではないでしょうか?

「老後までに2000万円の貯金なんてムリ…」と諦めモードの方もいるかもしれませんね。

いやいや、ちょっと待ってください!

諦めモードになる前に、「今からできること」はたくさんあります。

「つみたてNISA」「確定拠出年金(DC/iDeCo)」など、お得にコツコツ老後に向けた貯金をするための制度はかなり充実してきています。

今回は、30~40代前後のいわゆる「資産形成層」のみなさん向けに、老後資金作りの具体的なヒントをお伝えしますので、ぜひ一緒に考えてみましょう。

老後に貯蓄2000万円は本当に必要か!?

今回の報告書が訴えているメッセージは、膨らみ続ける社会保障費、伸び悩む賃金・少しずつ進む物価の上昇・消費税の増税などをふまえ、「公的年金などの制度に頼りきるのでなく、自分で資産づくり(自助努力)をしていくことが絶対に必要ですよ」ということです。「老後資金2000万円不足」というキーワードだけ聞くとビックリしてしまう方も多いかと思いますが、あくまでも平均の不足額であり、「どんな世帯でも2000万円が必要」というわけではありません。(報告書でもそのように記述されています。)

ただ、ご存知のとおり我が国は少子高齢化が急速に進んでいます。2030年代には、65歳以上の人口を支える現役世代の割合がおよそ「2人で1人」になる見通しですから、このまま年金や社会保険制度を維持するのはなかなか難しいのが現状です。

やはり、前述のとおり多くの一般生活者にとって「自助努力」が必要なのは間違いないと言えそうです。

まずは「つみたて投資」から始めてみよう

では、「私たちが今からできること」は何でしょうか?

実は、今回の報告書で国が推奨している、具体的な方法があります。それは、「つみたてNISA」「確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)」など非課税制度を活用したコツコツ貯金=“つみたて投資”です。

下の図をご覧ください。これは報告書に記載された「長期・分散・つみたて投資」の過去の実績を表したもので、1985年~毎月同額を国内・先進国・新興国の株・債券にバランスよく分散投資していった場合のデータです。

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まず右の図を見ていただくと、つみたて期間が20年間のような長期にわたると、投資収益率がプラス2~8%に収まっています。(本データではマイナス可能性がゼロとなっていますが、あくまでも一定の条件での成果であり、「絶対にマイナスにならない」と示しているものではありません。)

過去の実績では、つみたて期間が長期であればあるほど、つみたて投資は一定のプラス効果を得られる可能性が高いことを示しています。

次に、左の図を見てみましょう。

Cのように国内・先進国・新興国の株・債券にバランスよく分散投資すると、年平均4.0%の収益率となり、投資したお金(元本)が約80%も増えています。

(上記と同様にマイナスとなっている期間がありませんが、あくまでも一定の条件での成果であり、「絶対にマイナスにならない」と示しているものではありません。)

このように、過去の実績では、投資対象を分散すればするほど、一定のプラス効果を得られる可能性が高いことを示しています。

この図はあくまでも金融庁作成の一定の条件によるデータですが、国が推奨するくらいですから、「つみたて投資」はギャンブルのような短期集中投資とは全く違いますし、高度な知識・専門的なスキルは不要!「だれでも始められる、お金の貯め方・増やし方」なのです。

「ひたすら貯金していく」ではなかなかお金は増えない

とはいえ、「投資は損する可能性があるから怖い」と感じてなかなか一歩を踏み出せない方も多くいらっしゃいます。そんな方は「銀行口座でひたすら貯金」することになるわけですが、前述の「つみたて投資」と比べてどうなるのでしょうか?

30歳から65歳まで月1万円ずつ積み立てを行った場合の、シミュレーションをしてみましょう。※積み立てる金額の合計(元本)は420万円

●「銀行口座でひたすら貯金」の場合

都市銀行やゆうちょ銀行の普通預金(通常貯金)の金利は、年年0.001%です。

30歳から65歳まで35年間、もしずっと年0.001%で運用しながら積み立てると成果はどうなるかというと、、、

420万円714円。

【714円】の収益が得られます。

●「つみたて投資」の場合

国内外の株式・債券にバランスよく「つみたて投資」をした場合、前述の過去のデータでは投資収益率がプラス2~8%に収まっていました。今回は、少し控えめにプラス3%・5%になったときのシミュレーションをしてみます。30歳から65歳まで35年間、もしずっと年3%で運用しながら積み立てると成果はどうなるでしょうか?

結果は、725万5,450円。

【305万5,450円】の収益です。

では仮に、ずっと年5%だとどうなるか。

結果は、1,083万8,437円。

なんと、【663万8,437円】もの収益です。

いかがでしょう?

たしかに、銀行の預貯金は「元本割れしない」という安心感があります。しかし、銀行で35年間も毎月コツコツ貯金して714円しか得られないのでは、その間の物価や消費税の上昇で事実上の資産価値は目減りしてしまいます。将来一定程度金利が上がる可能性もあるとはいえ、「貯金でふやす」行動は“運用成果の期待値が極めて低い”といえるでしょう。

逆に、株式や債券の価格はアップダウンを繰り返しているので、「常に一定の成果(リターン)を得られる」というものではありません。(当然、損失が発生してしまう可能性もあります。)

それでも、過去の実績をみれば年3%や5%程度の成果は“十分に期待できる”と考えられます。

 仮の話とはいえ、年5%の運用成果であれば35年間で「1,083万8,437円」になっていたわけですから、

 『月1万円でもコツコツ続ければ1千万円を目指せる!』というのは夢物語ではなく、現実的な目標になりますね。

 報告書のメッセージにあるとおり、今の現役世代のみなさんはこれからますます厳しい環境になっていきますが、逆にいうと「投資で成果を得るための時間」はまだまだたくさんあります。

 ぜひとも今から少しずつ「つみたて投資」を始めて、長い時間をかけてお金を増やしていくことをおすすめします。

 

「つみたてNISA」や「確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)」を利用しよう

それではいよいよ、国が推奨する非課税制度を使った「つみたて投資」の“やり方”をご説明します。

 「つみたてNISA」や「確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)」について、概要と活用法をお伝えしましょう。

 ●つみたてNISAとは

 「つみたて投資専門」の少額投資非課税制度です。

 本来、投資信託や株式などで値上がり益や配当収入を得た場合には、収益に対して約20%の税金が課せられます。

それを「年間の投資金額40万円(月々3万3,333円)まで・20年間は非課税にしますよ」という優遇を受けられるのが「つみたてNISA」です。

 特徴として投資手法に制限があり、「つみたてのみ」「金融庁が厳選した低コストで長期投資に適した商品のみ」となっているため、

投資未経験者・初心者や“これから資産を作っていく資産形成層”にぴったりの制度となっています。

 ●確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)とは

 老後資金(じぶん年金)を積み立てるための制度です。

企業単位で制度を導入している場合に加入できる企業型DCと、個人が国民年金基金連合会を通じて加入できるiDeCo(イデコ=個人型DC)に分かれます。

 企業型DCの場合、積み立てた金額は「収入にカウントされない」ルールになっているため、税金や社会保険料の負担を抑えられます。

 iDeCoの場合、積み立てた金額が「全額所得控除」になるため、税金がお得になります。

 また、原則60歳まで途中引き出しが不可となっているのが特徴で、その分、極めて「強制力」が強い制度です。(企業型DCは、企業によっては65歳までのケースもあります。)

 掛金の上限額が職業や勤務先の年金制度内容によって異なる点や、最後に引き出す(受給する)ときの課税ルールなど、やや複雑な制度です。

 ●つみたてNISAや確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)を始めるには

 つみたてNISAは、金融機関・金融アドバイザー※を介して始めることができます。

※店舗のある証券会社、銀行、郵便局、ネット証券、直販運用会社、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)など

 企業型DCは、勤め先の企業に制度があれば入社時(または制度導入時)に必ず説明会等で案内がされていますし、既に加入されている方が多いはずです。

 次のようなケースに当てはまる方は、これを機に活用法を見直しましょう!

・加入しているが、運用状況がどうなっているか分からない。

・加入しているが、運用商品は全て「元本確保型(預貯金のようなタイプ)」。

・加入しているが、掛金額を自由に選択できるようになっていて、「とりあえず少額」にしてある。

・勤め先に制度自体はあるが、加入・不加入は選択制だったため加入していない。

 なお、加入されている方の運用の見直しは、いつでもWEBでできます。

掛金額を選択できる企業で金額変更をする場合や、選択制で加入していなかった方が中途加入する場合には、各企業が定める申込受付期間中に手続きをする必要がありますので、総務部などの窓口に確認してみましょう。(年1~2回実施している企業が多いです。)

 iDeCoは、つみたてNISAとほぼ同様で、金融機関(iDeCoでは運営管理機関が正式名称)を窓口として加入できます。

 基本的にいつでも加入できますが、加入年数が長くなるにつれ税金のメリットが大きくなるケースが多いため、加入すると決めたら早めに手続きを進めましょう。

 ただし、現行ルールでは企業型DC に加入しているとiDeCoの同時加入はできないケースがほとんどなので、ご注意ください。

 

"はじめの一歩"は、ファイナンシャル・アドバイザーに相談!

 「つみたて投資」は、上記のような最低限の投資の基礎知識と「つみたてNISA」「確定拠出年金(DC/iDeCo)」などの具体的な活用方法が分かれば、だれでも気軽にスタートできます。

 ただし、制度や商品を選ぶときには、一度お金の専門家(ファイナンシャル・アドバイザー)に相談し、そのアドバイスをふまえて検討することをおすすめします。

 「自分にあった制度・商品」は、十人十色です。

世帯によって、家族構成や職業・収入、マネープランなど、それぞれ異なりますね。

また、住宅ローン控除や生命保険料控除など、税優遇制度の活用状況も様々です。

 「つみたてNISA」「確定拠出年金(DC/iDeCo)」などの国の制度や、各種商品を活用する上では、上記のような要素によって、メリット・デメリットはもちろん「そもそも加入できるかどうか」といった条件も変わってきます。

 特に国の制度は都度法改正でルール変更がありますし、それらを網羅することはなかなか難しいケースも多いです。(専門家でもついていけない人もいるくらいですから)

 そのため、専門家を活用する方が時間的コストも労力・手間的コストも抑えられ、「自分にあった制度・商品」をバランスよく組み合わせて新たな一歩を踏み出すことができるはずですよ!

 前述のとおり、投資は「長期・分散・つみたて」を徹底することによって、一定の安定した収益を見込める可能性が高いといえます。

 その中でも、一番重要なのが「長期」。

つまり、「いかに長く続けられるか」です。

 株式や債券など相場はアップダウンを繰り返しますから、「〇〇ショック」のような暴落があると、ついつい「怖いから止めよう」と投資を中断してしまう人がいます。

 人は感情の生き物なので、一人で判断するとどうしてもそうなりがちなのです。

 そういった「感情的な判断」をしてしまわないためにも、「伴走者になってくれるアドバイザー」を見つけましょう。

 個人的には、2~3年で転勤・担当替えのある金融機関にお勤めのアドバイザーよりも、独立系のアドバイザー(IFA、FPなど)の方が、「つみたて投資による老後資金づくり」のサポートをしてもらうには適していると思います。

 つみたて投資は20~30年スパンで続けていくものですから、2~3年でくるくる担当者が変わられては、安心して相談することも・長期目線のアドバイスを受けることも、きっと難しいですよね。

 まずは、独立系のファイナンシャル・アドバイザーを探すところから始めてみてはいかがでしょうか?

 

※上記は、一般生活者のみなさんの資産づくり役立てていただくことを目的として、金融に関する一般的理論・制度・商品等の概要、税制・社会保険制度等の概要、それらに関係する分野の情勢を説明したものです。将来の制度変更や株価等の相場を予測するものではなく、特定の商品・サービス等の購入・加入を促したり、特定の企業や商品・サービス等の誹謗中傷を意図するものではありません。また、金融商品の将来の運用成果等を保証または示唆するものではありません。

 


 

 

執筆者

30代 / 得意分野:ライフプランニング・保険

安藤 宏和

  • 家計改善
  • ライフプランニング
  • 教育資金
  • 保険
  • 資産運用
  • 老後資金

コメントはじめまして!株式会社あしたばのファイナンシャル・アドバイザー、安藤と申します。(保有資格:CFP®、1級ファイナンシャルプランニング技能士、一種証券外務員 他) ①一般の方向けの資産づくり・資産運用サポート ②お金に関する教育・研修(マネーセミナー)に力を入れており、「お金に関する初心者」向けに“誰でも始められるお金の貯め方・増やし方”のアドバイスをさせていただくのが一番の得意分野です。老後資金や教育資金など「将来の資産づくり」のためのプラン設計、企業型確定拠出年金(DC/401k)・iDeCo・NISA/つみたてNISAなど「お得な国の制度」の活用方法、保険・家計の見直し、今あるお金の運用方法など、なんでもお気軽にご相談ください。また、一般の方向けのマネーセミナー、会社員の方向けの「確定拠出年金制度説明会・投資教育」、金融機関の営業スタッフ向け研修・セミナーなど、講師としても年間70回(受講者のべ3000名)を超える登壇実績がございます。資産づくり・資産運用を成功させるためには、継続的に金融教育を受けることが欠かせません。 一般の方向けには、専門用語を使わずにできるだけ分かりやすくお伝えしていますので、ぜひ安心して私たちのセミナーや継続サポートをご利用ください。

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