家計調査の内容や実施方法とは?2018年の調査結果についても解説


家計調査の内容や実施方法

政府によって家計調査が行われていることを知っている人でも、詳しい内容までは知らないという人も多いのではないでしょうか。今回は、家計調査がどのように行われているのかを知るために、概要や実施の流れ、活用事例などについて解説します。さらに、2018年の調査結果からはどのようなことが分かるのか、簡単に紹介していきます。

1.家計調査とは

そもそも家計調査とはどういった目的や方法で行われているものなのでしょうか。ここでは、家計調査の概要と調査内容、調査員・調査世帯の選定方法について解説していきます。

1-1.概要

家計調査とは、一般家庭における家計の収支やその内容に関する統計調査のことで、総務省統計局によって毎月行われています。もともとは第二次世界大戦後に、日々の買い物の購入額や購入個数など家庭での支出面を調査していた「消費者価格調査」から始まりました。そこから発展して、支出だけでなく収入も調査の対象となり、調査方法なども見直され、名称も「家計調査」となったのです。家計調査の目的は、国民生活における家計収支の実態を把握し、正確なデータを収集すること。調査によって得た個人消費の動向などの景気を左右する情報を提供することで、国の政策立案などに役立てることができます。

5年に一度しか実施されない国勢調査とは違い、家計調査は毎月です。その理由は、季節・天候の変化や物価の変動などによって、個人消費の動向は敏感に影響を受けてしまうことにあります。家計の実情を的確に把握するためには、毎月継続して調査を続けることが必要です。調査対象となるのは、基本的に全国の世帯で調査世帯は無作為に選定されます。ただし、学生の単身世帯や外国人世帯など一定の条件がある世帯では、正確な収支データを取ることが難しいといった理由から、調査対象外です。

1-2.調査内容

調査期間は、2人以上の世帯では6カ月間、単身世帯では3カ月間です。調査の対象となった世帯では調査期間中、毎日の収入と支出を家計簿に記入することになります。収入については、勤労者世帯と年金受給者など無職世帯のみが調査対象となっており、それ以外の個人営業など世帯は記入する必要がありません。家計調査には、全部で4種類の調査票があり、家計簿以外に「年間収入調査票」「貯蓄等調査票」「世帯票」の3つがあります。年間収入調査票では、過去1年間の収入、貯蓄等調査票では貯蓄・負債の状況や土地などの購入予定といった資産状況を調査します。世帯票は、世帯構成や世帯員の年齢・職業などを把握するために必要なものです。

1-3.調査員・調査世帯の選定方法

家計調査では、調査される世帯だけでなく調査にあたる「調査員」も一般の人から選定されるのが大きな特徴です。調査員には、「20歳以上」「税務・警察や選挙と無関係」といったいくつかの要件を考慮して選ばれます。調査期間中は、都道府県知事によって特別職の地方公務員として任命されることとなります。調査世帯の選定方法は、調査結果に偏りが出ないよう統計理論に基づいて、3段階に分けて選ぶ「層化3段抽出法」です。まず、地域の特性などでグループ分けされた中から合計168市町村を選ぶのが第1段階です。

第2段階では各市町村から調査地区を、第3段階では調査地区内の中から調査世帯をそれぞれ無作為に選びます。こうした方法を使って、全国で約9000世帯が調査世帯に選ばれ、そのうち2人以上の世帯が約8000世帯となっています。

2.家計調査実施の流れ

家計調査実施の流れとしては、まず総務省統計局によって調査票・調査方法の設計、調査地域の選定が行われます。調査地域が決まったら、次に都道府県・指導員によって調査員の選定と指導、調査世帯の選定です。任命された調査員の役割は、調査地域の世帯名簿作成し、実際に調査対象となる世帯を訪問して調査依頼と調査票の配布をすること。

依頼を受けた調査世帯は、期間内に家計簿などの調査票の記入をしておきます。調査期間が終了したら再び調査員が訪問し、調査票を回収。回収した調査票は都道府県・指導員によって整理され、総務省統計局に提出されるのが一連の流れです。その後、総務省統計局によって調査結果の集計作業が行われ、資料としてまとめられたものが公表されます。

3.家計調査結果の活用事例

家計調査の結果は、さまざまなことに活用されています。まず、家計調査の大きな目的でもある国の経済政策・社会政策の立案への活用です。一般家庭の家計実態を知ることは、基礎年金額や各種税の税率、生活保護基準など生活に関わるお金について検討するときに基礎資料として役立ちます。また、総務省統計局では「消費者物価指数」というものを毎月作成し、発表しています。消費者物価指数は、商品やサービスの物価動向を把握するための統計指標です。この消費者物価指数の作成の際に、家計調査で各世帯の支出額が多かった品目を指数品目に選んでいます。

食料の需要や価格の分析にも、家計調査結果が活用されています。穀物や野菜などの食料全般の需要に関する最新の動向を分析するのに、家計調査で集計した支出金額や購入数量などのデータはとても重要です。こうした活用方法以外にも、民間の会社や大学などの研究でも家計収支や消費実態の分析に利用されるなど、幅広い分野で役立っています。

4.2018年の家計調査結果について

家計調査の概要を押さえたうえで、次は2018年の家計調査結果からどのようなことが分かるのかについて簡単に見ていきましょう。

4-1.家計収支の概況

2018年の家計調査結果の中から、「家計収支の概況(2人以上の世帯)」の項目について見ていきます。2人以上の世帯での1カ月あたりの平均消費支出は28万7315円でした。消費者物価指数をもとに物価変動の影響を加味すると、前年から実質0.4%の減少で、5年連続での実質減少となっていることが分かります。消費支出の実質増減率を月別でみると、1・7・8・12月の消費支出が増加しており、特に8月は2.8%という最大の実質増加率です。

収入についての調査は、勤労者世帯が対象です。2人以上の勤労者世帯では、世帯主の平均年齢は49.6歳となっており、その実収入は1カ月あたり平均55万8718円でした。前年の実質増減率と比較すると、0.6%の減少となっています。

4-2.家計をめぐる主な動き

2018年の家計調査結果「家計収支の概況」に参考として記載されている「家計をめぐる主な動き」の項目を見てみましょう。2018年の夏は、7月23日に埼玉県熊谷市で最高気温が41.1度となり歴代全国1位を更新するなど、6~8月は記録的な高温になりました。この猛暑の影響でエアコン特需が起き、7月の国内出荷台数は統計開始以来最高の約176万台を記録しました。8月の消費支出が実質2.8%も増加したのは、エアコンなど「家庭用耐久財」の増加が影響していると考えられます。

所得関連では、最低賃金の全国平均が26円引き上げられ、874円となったことも挙げられます。経団連のまとめによると、大企業が支給するボーナスは夏が95万3905円、冬は93万4858円が平均妥結額です。それぞれ前年比で夏は8.62%、冬は6.14%の増加で過去最高となりました。また、消費関連では主要コンビニの全店売上高が年間で10兆9646億円を記録し、前年比2.6%の増加でした。これは、2005年から13年連続の増加となっています。


執筆者

得意分野:ライフプランニング・資産運用

オカネコ編集部

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