家計簿の種類や選び方は?つけるメリットや上手に使うコツも解説


家計簿の種類や選び方

家計管理のために家計簿をつけたいと思っても、初心者にとっては、さまざまなタイプの家計簿があり、どれを選んでよいか迷ってしまうのではないでしょうか。家計簿を上手に活用するには、種類を知ったうえでポイントを押さえて選ぶのが効果的です。本記事では、家計簿の種類や基礎知識、多彩な家計簿の中から自分に合ったタイプの選び方、家計簿をつけるメリットなどについて紹介します。

1.家計簿を上手に使うための基礎知識

家計簿は、ただ毎日の収支を記入すれば良いというものではありません。さらに、負担なく継続できることが大前提です。何のために家計簿をつけるのか、それぞれの家庭に応じて目的に合った使い方をするための基礎知識を紹介します。

1-1.家計簿をつける目的

家計簿は、日々の収支を記録するための備忘録ではありません。家計簿をつける主な目的は、月々の予算を管理することが基本です。予算の管理とは、赤字にならないよう月々の収入と支出のバランスを調整するということです。具体的には、将来必要な出費や目標貯金額から逆算して将来に備えつつ、さらに、月々の収支の項目を把握して余計な出費を減らし、必要な出費に回せるよう計画を立てます。家計簿をつけることにより、短期的、中期的、長期的な家計の収支計画が立てやすく、きちんと管理すれば無理なく充実した暮らしを送ることができます。

市販の家計簿の記帳形式には、手書きからデジタルのものまでさまざまな種類があります。年末近くなると、書店にはさまざまなタイプの家計簿が付録でついた主婦向けの雑誌が山積みになります。それらを見るたびに、「去年も付録の家計簿をつけてみたけど長続きしなかった」「今年こそはと違うデザインの家計簿を取りあえず買ってみるものの、やはり続かなかった」という人もいるのではないでしょうか。

長続きしなかったのは、おそらく記録することだけが目的になってしまったところに原因があるかもしれません。目的によって最適な家計簿のタイプは異なるため、家計簿をつける目的を明確にするところからアプローチすると効果的です。例えば、将来に向けた資産運用が目的なら、家計の収支と資産の項目のどちらも管理できる家計簿を選ぶ必要があります。また、夫婦どちらにも収入があり、支出もバラバラで、とにかく家計を把握するのが目的なら複数人でも使いやすいタイプを選ぶのが効果的です。

このように、それぞれの家庭によって選ぶべき家計簿は自ずと異なってきます。記録だけに留まらず目的に見合った家計簿を上手に活用することにより、長期的な家計管理ができるのです。家計簿の必要性を実感すれば、続かないという事態も避けられ、家計簿は「なくてはならないもの」になるでしょう。

1-2.家計簿の主な項目

家計簿をつける際の一般的な項目と分類について説明します。家計簿に支出を記入する際は、何にどれだけ使ったか計算しやすいように項目別に分けて書きます。主な項目は、生活に関するもの、食事、仕事、趣味、教育、子ども、住居、車などです。中でも、生活に関するものは、日用品や美容、医療、通信費などがあり、非常に項目が多いうえ家庭によっても状況が違うため、家庭に合った項目で分類するのがおすすめです。

家計簿を節約目的で使いたいなら、新聞、通信、家賃などの毎月必ず一定額を支払う「固定費」や、その都度金額が変わる、趣味や交際といった「変動費」に分けて記入しましょう。1カ月の収入から固定費を差し引いた残りが、変動費として使えるお金です。何にどれだけ使えるかが視覚化され、節約箇所が探りやすくなります。また、貯蓄は変動費の残額を回すという方法ではなく、毎月決めた額を固定費に計上したほうがより計画的に節約と貯蓄が可能です。

さらには、お年玉や分割購入のボーナス払いなど季節性がある支払いや、冠婚葬祭の出費については「特別費」として分けておくとよいでしょう。

2.家計簿をつけるメリット

家計簿をつけるメリットはたくさんあります。中でも、大きなメリットである「家計の見える化」と「計画性」の点から説明します。

2-1.家計の状況を見える化できる

毎月の食費や外食費にどのくらいかかっているか聞かれて、パッと答えられる人はどのくらいいるでしょうか。答えられない人はある程度生活に余裕のある人か、毎月無計画にお金を使っているため、いつも給料日前に苦しい思いをしている人かもしれません。これでは、家計における食費の割合のエンゲル係数がどの程度なのかも把握できないでしょう。このようなお金の管理をしていると、台風被害のための農作物の物価高騰により、家計に大打撃を被ることもあるものです。そもそも家計簿をつけていない人は、日常の食品の価格の推移などには気がつかないことがほとんどでしょう。

毎月同じように生活しているのに、ある月では出費がオーバーしたりある月では貯金が多くできたりしても、なぜそうなったのかの理由まではわからないものです。物価が上昇し、子どもが成長して支出が増えた場合、このままでは遅かれ早かれ家計が破綻してしまいかねません。しかし、家計簿をつけてさえいれば、項目ごとの出費が一目瞭然です。内訳を見て問題がある出費があれば今後改善していくことができるでしょう。

食費にしても、計画的に買い物をして無駄なく食材を使い切ったり、なるべく底値になるタイミングを選んで買い物をしたりするなどの節約ができるようになります。このように、家計簿を継続していれば、さまざまなお金の動きが明らかになります。収支金額について毎月の増減がわかるほか、項目ごとの増減もわかるため使い過ぎや無駄な出費を把握でき、生活行動の振り返りができるのです。

3.家計簿の種類

家計簿をつける方法として、一般的な手書きで記入する方法、パソコンの表計算ソフトを使う方法、家計簿に特化した専用ソフトやアプリを使う方法があります。これら3種類の家計簿について、それぞれのメリットとデメリットを説明します。

3-1.手書き家計簿

昔からある手書きの家計簿は、全国の家庭に最も普及しているタイプです。婦人雑誌の付録は1年間で1冊になっているタイプが多いですが、市販の家計簿はいつからでも使えるようなタイプや金銭出納帳のような罫線のみ印刷されたものなど、初心者向けから上級者向けまで種類が豊富にあります。購入するときは、必ず中身をよく確かめて記入のしかたをイメージしてから選ぶのがおすすめです。初心者向けには「項目あり」が項目の分類に悩まずに始めやすいでしょう。自分で項目を分類して管理したい上級者なら、「項目なし」の家計簿が自分の思い通りに使えて便利です。

また、手帳や日記一体型の家計簿もあり、日々の現金出納だけを書き込むのではなく、その日に起こった出来ごとや行動などを書き留めておけるタイプのものもあります。家計簿と日記を別々につけるよりも、その日の行動や使ったお金がひと目で把握できるため、より鮮明な記憶として思い出せます。手書きの家計簿は場所を選ばずどこでも使えるため、パソコンが苦手な人でも簡単に始められる点がメリットです。パソコンなどの難しい操作が不要で、カスタマイズも書き込みも自由にでき、紙の請求書やレシートを貼り付けたりポケットに収納したりできる点も魅力です。

デメリットは、定期的に手書きをするのに手間がかかることや、1箇所金額を間違うと小計や合計まで間違ってしまうことが挙げられます。集計作業も逐一電卓などで計算が必要です。手書きのアナログデータですので、パソコンのようにコピーや貼り付けなどの操作ができず、家族と電子データとして共有ができない点もデメリットでしょう。

3-2.表計算ソフト

パソコンの表計算ソフトを使って家計簿を管理する方法もあります。表計算ソフトとは、マイクロソフトのオフィスソフトの「エクセル」やMacの「ナンバーズ」、無料のグーグルスプレッドシートなどを指します。エントリーモデルのパソコンならキングソフトや他社製の表計算ソフトがセットされていることも多く、表計算ソフトなら基本的な機能は同じなのでパソコンさえあれば誰でも気軽に利用できる点もメリットです。

表計算ソフトの家計簿のテンプレートを利用すれば、自分でカスタマイズをしなくてもすぐに始められる点がメリットです。日付や費目、内容、金額を入力することにより、「合計」や「平均」などの表計算機能で瞬時に計算ができます。月ごとの合計や週ごとの合計、項目別の合計などの集計作業が非常に簡単です。手計算と違って計算ミスもなく何度も検算する必要もありません。

表計算ソフトに慣れている人なら、さまざまな機能を使って自分好みの完全にオリジナルの家計簿を作り出すことも可能です。電気・ガス・水道などの光熱費の推移をグラフにしたり、入力が手早くできるようプルダウンリストで工夫したり、集計から印刷までマクロで自動実行したり、さまざまに応用ができます。

ただし、パソコン操作が苦手な人や表計算ソフトの便利な機能を理解していない人は、せっかくのデータを生かせないこともあるものです。手書きよりも時間がかかるようでは、あまり意味のないものになってしまいます。また、現物のレシートを好きなところに貼り付けることや自由にメモが書き込めない点をデメリットに感じる人もいます。

3-3.家計簿アプリ・ソフト

家計簿の専用ソフトは、家庭用にクラウド会計ソフトが普及しており、スマホでも操作できる家計簿アプリも多種類のものが提供されています。パソコンの表計算ソフトを駆使してカスタマイズすることが難しいと感じる人は、家計簿専用に作られたソフトやアプリが簡単で便利です。家計簿アプリや専用ソフトは、家計簿に特化した機能がもともと組み込まれていて、入力や集計が自動で簡単に行える点がメリットです。また、アプリを使えば、スマホやタブレット端末からでも入力や管理ができるため、空き時間に手軽に扱えます。

ただし、「紙のように自由にメモを貼り付けて、いろいろと書き込みたい」「自分でオリジナルの機能をカスタマイズしたい」という場合は、手書きタイプや表計算ソフトのカスタマイズ性には劣ることがデメリットでしょう。

3-4.お金を計画的に扱えるようになる

長い人生では、結婚や出産、教育、住宅、自動車購入、老後資金など、さまざまなライフイベントに応じて資金を準備する必要があります。それぞれのイベントごとに準備しておく目安の金額はあるものの、家計簿をつけていなければ今から具体的な準備をすることは難しいと言わざるを得ません。一方、家計簿をつけていれば、将来のそれぞれのイベントの時期と必要な金額の心づもりができ、逆算してどれくらい貯めれば良いのかの計画が明確になります。そのため、家計簿があれば無計画にその場しのぎでやりくりするのではなく、将来の収入と支出のバランスを考えながら、お金に対して計画的に向き合えるようになるのです。

4.家計簿の選び方を目的別・タイプ別に紹介

多種類の家計簿を目的別に選ぶ方法と、タイプ別に選ぶ方法を紹介します。

4-1.目的に合わせて選ぶ

家計簿をつける目的は、大きく分けると、「家計管理をして節約したい」「将来の貯蓄をしたい」「毎年の確定申告に備えたい」という3つに分けられます。節約したい人には、支出項目ごとに分けて書き込める昔ながらのベーシックなタイプが良いでしょう。一覧性があり項目ごとに無駄遣いがないかのチェックも簡単です。たとえば「今月は娯楽費をずいぶん使ってしまったから、来月は少し控えよう」などの振り返りができます。また、食費が意外とかかっていることに気づき、何日分かのメニューの食材をまとめ買いすることにより、時間も効率よく使えるうえに結果的に大きな節約になったという人もいます。

家計簿をつける大きな目的が貯蓄ということなら、既に節約に対する心構えはできていて既に実行されているかもしれません。その場合は、項目が省略された簡易的な家計簿でも問題ないでしょう。毎月余った分を貯蓄に回すのではなく、貯蓄用の口座をメインバンクとは別にして設け、給料日にすぐに貯蓄口座に資金移動しておくと計画的に貯められます。あとは、毎月の固定費を差し引いた金額を日数で割れば、1日に使える金額がわかります。もっとも1日単位で考える必要はなく、5日や1週間などの平均額とすれば良いわけです。あくまでも定期的な貯蓄を目的とするなら、家計簿では出費の累計額が把握できる程度で十分でしょう。

フリーランスや副業で20万円以上を超える場合、株や不動産などの利益がある場合などは、確定申告が必要です。節税のためには、必要経費を正しく申告することが必須です。そのため、領収証やレシートなどは一切捨てずに保管しておかなければなりません。そんなときは家計簿に直接レシートを貼って合計するだけで家計管理ができるタイプが便利です。これなら、レシートを保存するケースや封筒などにまとめてレシートを入れておき、後からまとめて日付順に貼り付けるだけなので簡単です。

4-2.タイプ別に選ぶ

家計簿は、手書きのタイプが一般的ですが、表計算ソフトで管理するパターンや、家計簿専用ソフト、家計簿アプリを利用する人もいます。クラウドで管理すれば自宅以外のパソコンやスマホからでも簡単にデータをチェックしたり、空き時間を使ってどこからでも手軽に入力したりできるため人気です。前述したとおり、手書きタイプは、難しい操作が不要で始めやすい点がメリットですが、継続するうえで手書きをするのが手間に感じることもあるものです。また、表計算ソフトや家計簿専用ソフト、家計簿アプリは機能が豊富でデータ集計が簡単ですが、パソコンが苦手な人は操作に慣れるまで時間がかかるというデメリットも持ち合わせています。

それぞれ長所と短所があるため、自分にとっての使いやすさや、欲しい機能を考慮にいれながら選ぶことが大切と言えます。

5.家計簿の選び方・使い方をマスターする方法

家計簿をつけ始めたばかりであれば、まずはさまざまなタイプのものを試行錯誤して試してみるのも良いでしょう。パソコンにある表計算ソフトなら簡単に導入できるでしょうし、家計簿ソフトやアプリなどは無料で試用ができるものもあります。どの方法が無理なく継続できそうか、将来的に考えてどの方法がベストなのか考えてみましょう。

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執筆者

得意分野:ライフプランニング・資産運用

オカネコ編集部

  • 資産運用
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  • 家計改善
  • ライフプランニング

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